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■  バー

15歳でバーの世界に入った。それから43年、銀座一筋に生きてきた。古き良き時代の銀座を知り、移り変わりを見つめてきた人だ。銀座の変遷は、ヘタな本を読むよりかはずっと面白く、しかも勉強になる。銀座の奥深さを知るだけでなく、たとえば夜の町として語ってくれるだけで、バーやクラブが日本経済のいまを映す鏡であることを知る。グラスを傾けながら、いっぱしの事情通になったような気分になる。とてもいい酔い心地なのだ。バーの本来の姿はこれだ。客をいい酔い心地にする。これがバーなのだ。いまはどうも酒を飲みながら、酒を語ることが多い。とくにウイスキー。シングルカスクだモルトだと、クンクンとノージングして、バーテンダーも客も酒を語りたがる。若い優秀なバーテンダーが増え、彼らの一生懸命に勉強している姿は立派だが、やはりそこは若さが出る。勉強中がサービスに出る。いまバーの過渡期だと私は思っている。



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